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VanaDielStyle : 2-66 赤魔の師弟


ゴオオオオォ―

白い外套の男が一人、炎合成をしている。
背後から彼に近づくもう一人の男。
その頭には鍔広の赤い旅人帽が乗っていた。

次の瞬間、赤い帽子の男の剣が、白外套を一閃した。
しかし、白い外套の男は合成した体勢のまま宙に舞い、赤い帽子の男の背後に着地した。

??? 「一介の料理人に、いきなり斬りつけるとは、随分無粋な輩だな」

無粋と呼ばれた男―シュンミは剣を納めた。

Shunmi 「『 Nouvelle 』は一介の料理人ではないでしょう…」

Nouvelle 「…なんだ、お前か…」

Shunmi 「お久しぶりです。師匠…」


Nouvelle 「十年ぶりか。随分と待たされたが、ようやく Lv72 になったか」

Shunmi 「えぇ…しかし、それがどうかしたのですか?」

ヌーブルは何かを放り投げた。

Nouvelle 「飯だ。付き合っていけ」

シュンミは、出来立てのヌーブル風山の幸串焼きを受けとった。
十年前―

Shunmi 「…単刀直入に言いいます。『奥義』の伝授―今こそ、お願い致したい」

Nouvelle 「ほう…アーティファクトを纏って一人前の赤魔道士になったつもりか?」

Shunmi 「…お願い致します…」

シュンミは帽子を脱いでいる。

Nouvelle 「どうやら相当、切羽詰った事情のようだな。いいだろう聞くだけは聞いてやる」


Nouvelle 「…ふうん。つまりこーゆう事か。そのジラートとかいう連中が、真世界の扉を開こうと画策している。お前はそれを阻止したい」

Shunmi 「…」

Nouvelle 「いいだろう。闇の王を滅ぼした事に免じて、赤魔道士最後の奥義、お前に伝授してやる」

Shunmi 「…知っていたのですか」

Nouvelle 「ふん。何だかんだ言って赤魔道士としてジラートを放っておくわけにはいかんだろう。今から新しい弟子を探して仕込むには時間が無い。俺自身が出れば一番てっとり早えんだが、今更そんな面倒臭え事は御免だ。お前が責任を持って、ジラートを喰い止めてみせろ」

シュンミは静かにうなづいた。


Nouvelle 「修行の前にひとつ、お前に言っておくことがある。最後の奥義―これを会得すれば、お前は恐らく俺に匹敵する強さを得ることになる…いや待て、そこまでは行かないか。せいぜいマートどまりだな」

Shunmi 「…」

Nouvelle 「だが、だからといって自惚れるな。お前一人が全てを背負って犠牲になるくらいで守れる程、ヴァナ・ディールという世界は軽くねえはずだ。覚えておけ。どんなに強くなろうと、お前は一介の赤魔道士。戦士や黒魔道士になる必要はないんだ」

ヌーブルは長刀を抜き放った。

Nouvelle 「話は終わりだ。始めるぞ」

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