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VanaDielStyle : 2-69 白い魔人


Shunmi 「…ごちそうさまでした」

シュンミは食べ終えた串をそっと置いた。

Shunmi 「それにしても、あの時、既にリレイズV をかけていたとは…」

ヌーブルはニヤリとしてみせた。

Nouvelle 「教えたはずだぜ。赤魔道士は最悪の事態に備えろ、とな」

奥義伝授でシュンミの赤魔剣閃にヌーブルは倒れたはずだった。
しかし、ほどなくリレイズV で甦ったのである。

Shunmi 「確かに。それで…」

ヌーブルは、その白外套を脱ぎ、シュンミに差し出した。

Nouvelle 「代々受け継がれたこの白外套…いわば、こいつはミシディア流伝承者の証でもある。受け取れ。お前にはその資格がある」

シュンミは神妙な面持ちで考え込んだ。

Shunmi 「遠慮します。赤くないですし…」

Nouvelle 「てめえコラ!!」

Shunmi 「師匠、俺は奥義は会得しても十四代ヌーブルを襲名して、ミシディア流を受け継ぐ気はありませんよ。俺が受け継ぐのはミシディア流の理だけです」

Nouvelle 「…随分、手前勝手な話だな。まあ、お前の手前勝手は今に始まった事じゃねェがな」

Shunmi 「勝手ついでといってはなんですが、もう一つ。俺がジラートと闘っている間、エリオたちを守ってくれませんか?」

Nouvelle 「フ…」

ヌーブルの鞘打ち → シュンミは 666 ダメージ

Nouvelle 「あまったれんのもイイ加減にしやがれ。お前がミシディア流を継がないと言った時点で、俺とお前はもう師でも弟子でもねえんだ。俺が師匠だった事は、さっさと忘れろ」

Shunmi 「師匠!」

Nouvelle 「ただ、俺がお前にミシディア流を教えたのは、お前を不幸にするためではないことだけ覚えておけ」

ヌーブルは背を向けて歩き出していた。

Nouvell 「余計な心配は無用。お前はさっさとジラートを倒しに行きな」

Shunmi (師匠…)

シュンミは帽子を脱いで深く頭を下げていた。

数日後―ジュノ競売所。

白いローブがシュンミの目に留まった。

Shunmi 「じいさん、これは?」

Old Auctioneer 「ん…そりゃ、ミシディア魔道士のローブじゃよ」

Shunmi 「…ミシディアの!?」

シュンミは驚きの表情を浮かべた。
ミシディアの名を競売所で聞くとは思ってもみなかったようだ。

Old Auctioneer 「ふぉふぉっ…冗談じゃよ。まぁ、レプリカといったところじゃな。お前さん、伝説の国ミシディアを知っておるのか?」

Shunmi 「少し、な」

Old Auctioneer 「そりゃ面白い。このローブのオリジナルについて教えてやろう」

久しぶりに話し相手を見つけたのか、老人は楽しげであった。


伝説の国ミシディア。
それは、魔法発祥の地とされている。
ある時、嵐で遭難した船があった(リヴァイアサンによるものという説もある)。
その船に乗っていたミンウという男が、流れ着いた土地で、最古の魔法を修得した。
高波を凍らせる魔法―ブリザドである。
その後、ミンウは数々の魔法を生み出し、魔道士の祖となった。
そして、彼が纏っていたマントは、その弟子に代々受け継がれていったという。


Old Auctioneer 「これが、そのレプリカというわけじゃよ。魔法により繁栄を極めたミシディアじゃったが、魔道士同士の戦争で消滅。今となってはおとぎ話の中だけの存在じゃ」

Shunmi 「その戦争が白魔法と黒魔法を生んだ…」

Old Auctioneer 「ほほっ、よく知っておるの。元々、魔法はひとつじゃったが、その戦争で白と黒に二極化しおった。つまり、お前さんのような赤魔道士が、本来あるべき姿なのかもしれんぞ」

Shunmi 「ミンウの弟子はどうなった?」

Old Auctioneer 「ミンウは、その力を利用されないよう、弟子に隠し名を与えた。ヌーブルとか言ったか、彼の故郷の名前を。その戦争でも、ミンウの弟子は、どちらにも加担せんかったそうじゃ」

Shunmi 「…」

Old Auctioneer 「どうじゃ、このローブ欲しくなったじゃろ?」

老人は競売人であった。

Shunmi 「もらおう」

そう言うとシュンミは入札額を提示した。

Old Auctioneer 「ミンウは剣の達人でもあったからの、人々は畏敬の念を込めて白い魔人と呼んだそうじゃ」


シュンミはレプリカのローブ―エラントウプランドを身に付けた。

Shunmi 「…俺にはこれで十分だ」

Old Auctioneer 「お前さん、ちょっと面白いな。興味がわいたぞ…。ミシディアの話が聞きたくなったら、また来るがよいて」

シュンミは帽子にそっと手を当てて競売所を出た。

Old Auctioneer 「あれが十四代目か…。果たして白い魔人になれるかの、ほほっ。」

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