Home > Book > その可能性を開け

その可能性を開け

  • 2008-06-09 (Mon)
  • Book
リーダーに必要なコミュニケーション能力とは、組織全体の判断力を高めるために『情報を共有化する能力』だ

デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)

デッドライン仕事術より。
唐突に再登場。
トリガーはきっどのレビュー帳

上に立つ人は秘密主義者が多いような気がします。そのほうが部下を統括出来ると思っているからだそうですが、私は部下も情報を知るべきだと常に唱えていました

これ。
ウェブ進化論』の言葉を借りると、

私たちが慣れ親しんできた「組織の仕事」では、組織内の情報は隠蔽されるのが基本だ。別の部署で何がおきているのかはわからない。トップが毎日何を議論しているのかを知ることはできない。「この人間にこの情報は開示しても構わない」と誰かが判断した情報だけが開示される環境下で、個々人が仕事をしていく。

ということですが、よりピンときたのはこっち。

はじめての課長の教科書

はじめての課長の教科書』です。

組織の情報流通について「課長」を中心に見てみると、

(1)課長のところで経営情報と現場情報は交差し
(2)社内情報は課長に向かって集まり
(3)課長は現場情報と経営情報をバランスよく持っている

ということがいえるそうです。
特に

「役割分担が明確な企業」というのは、現場情報は経営者までほとんど伝わらず、逆に経営情報も末端の社員に伝わることが少ない企業です。

こういった企業では、中間管理職たる課長の手腕(情報のマネジメント)が問われることになるのだと思います。
これは、

決められた仕事、いわゆるルーティン・ワークばかりをこなすのであれば快適な組織スタイルです。

というのは間違いなさそう。
しかし、ひとつの企業内であっても、必要な情報が正しく流通していないため、その決められた仕事すら上手く進まないということがあります。
それこそ部下を制御するために、あるいは社内政治を有利に進めるために、敢えて情報を流通させないということも十分考えられます。
そうなってしまうと「役割分担が明確」というより「風通しが悪い」企業ということに。
こういう「不適切な情報の制限」(必要な情報を流通させないこと)は

重要な人材から順に組織から流出していく可能性

を増大させる原因でもあります。

情報流通を管理されたほうが、限られた情報の範囲でベストを尽くせばよいから、社員は楽である。すべての情報が共有されるということは、自分の仕事をこなすのは当たり前で、それに加え、会社全体で起きているすべてのことに関心を持ち、積極的に関与することが推奨されることでもある。

これは『ウェブ時代をゆく』からですが、「不適切な情報の制限」は仕事に積極的に取り組もうとする人間にとって、足枷に過ぎないのです。
それは、

たとえ末端社員であっても情報を上手に取捨選択できれば重要な決断に貢献することができる

という可能性を奪ってるに等しいのだから。

ひとつの企業内でもこういう状況があります。
これを数社が縦の関係で並んだプロジェクトに置き換えてみて下さい(ほらキタ)。
より「不適切な情報の制限」が増大するのは明らかです。
企業間なので仕方のない面もあるとして、どれだけ人の可能性を閉ざしていることか。
古い話だと、大手が仕様を開示しない(利権を守るため)とか、そういうこともあったり。

「なぜ日本からグーグルが出ないのか」という問いは、思考実験として意味がなくもない。しかしその問いは、楽天やライブドアに向けて発するべきものではなく、むしろ人材の厚みや技術の蓄積から考えれば、日立、東芝、富士通、NEC、ソニー、松下といった日本のIT産業、コンシューマー・エレクトロニクス産業を牽引してきた大企業に向けて

っと、これは『ウェブ進化論』より。
コンシューマー・エレクトロニクス産業はさておき、IT 産業について、少なくともそういう体質が影響しているような気がします。

と、また話がそれてきましたね。
情報共有という点でも、やっぱり mixi の外で書いていたい気はします。
あまりお客さん来ないけどね、ここ。

『はじめての課長の教科書』は、そんな組織で生きていく覚悟を決めた方にもオススメしておきます。
何よりこのエントリーと違ってバランスが絶妙です…。
著者のブログなら更にクリックひとつで読めますので是非。

47ページの図についてNED-WLT

以下、参考まで。

『はじめての課長の教科書』より。

役職にあまり関わりなく社員の皆が同じくらいの量の情報を持っています。このため社内の意思疎通は比較的簡単ですが、個々人の情報処理の量は増えることになります。
「風通しの良い企業」においては、「情報洪水の中から、自分の必要な情報だけを抜き出す」という情報のフィルタリンが個人個人に課されているというように理解することができます。

『ウェブ進化論』より。

情報共有を前提とした組織原理によって、従来型組織の時間についての常識を破壊するスピード感が出る。
すべての情報を共有することを原則に「情報自身の淘汰」に委ねるという思想のほうに革新性があるのだ。

Home > Book > その可能性を開け

Page Top