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iPhoneアプリをリリースするまでの3ヶ月を振り返る その2 #tarotR

前回の続きです。
タロット・リポートの開発も前奏曲が終わり本編へ。

プロトタイプ評価~開発完了(約1ヶ月)

あまりスクリーンショットを残していませんでしたが、8.25 時点は下のような感じ(二つの道の結果画面)。
ちょうどアジャイルサムライ DevLOVE道場 第一回萌芽の頃です。

111030.jpg

約1ヶ月でこれくらいのプロトタイプと呼べる実装が完了したので、周りの人に触ってもらいフィードバックを得ながら開発を継続するフェーズに入りました。

2011.08.25 今日のテスト結果より:もうちょっとアフォード

具体的には同僚をお昼に誘ってプロトタイプを触ってもらいました。
そこで見つけた改善点を開発にフィードバックする形です。

この日は操作に戸惑っていた記憶ありますね。
「裏になっているカードをタップすると開く」に気がつかないとか。
最終的にカードオープンは自動化されたので、結果として改善されたようにみえますが、正攻法で行くなら「裏になっているカードがそれと認識されて、かつ表を返したくなるようなデザイン」をするのかもしれません。

2011.09.05 フレンドカードの機能が実装される

このタイミングで大きな機能追加されました。
元々、Twitter 連携については占い結果をツイートする程度を考えていたのですが、時折、こーゆーイメージが頭をよぎった結果、フレンドカードが追加されました。

createFriendCard.jpg

もちろんユーザー要求も何もないので、「私が作ってみたかった」だけです。
もし、この機能を好んで使ってくれる人がいるとしたら、そこに「何か」があると思うんですよね。
今回の場合、それを「無名の質」とは呼べませんが、作り手の感覚が日々の観察によって磨かれていたとしたら、そこから生まれるものもあるのではないか、と思います。
もちろん、私がそうであったかどうかは別問題ですよ。

話が飛んで行きますが、熟練された作り手はそういう「パタン」を蓄積していて、いざという時に組み合わせて(ランゲージ化して)形にできるのではないかと考えています。
観察と経験の蓄積から生み出せる価値。
一人で出来なくても、それは「多様性」で補うことができるかもしれません。

話を戻すと、このフレンドカードの実装で開発工数が足りなくなりました(9 月中のリリースで計画していた)。
そこで、一部のお絵かきを mariko さん依頼することにしました(ここで iPad 2 を貸し出す)。

2thp.jpg
mariko さん(の予想図)。

某所でペイント(Windows の)で描かれていた絵を見て、無名の質を感じたので依頼しました。
最終的には「女教皇」「恋人」「正義」「吊られた男」「星」「審判」「世界」を描いてもらいました。
「星」とか「世界」とかスタンド使いとしては重要なアルカナですね。

2011.09.09 評価 2 回目

「発話思考法+プロトコル分析」の実施も考えたのですが、ランチついでに軽く触ってもらうだけでも、十分効果がありました(改善点は見つかる)。
簡易オブザベーションという感じですね。
あと、NE比を出してみるという手もありますが、今回に限っては見ていれば分かるレベルでした。

参考リンク
 プロトコル分析 | 情報デザイン研究室
 NHN Japanでオブザベーション・ワークショップ | 情報デザイン研究室
 NE比 | 情報デザイン研究室

もちろん、各手法を行って改善を施せば、よりアプリに磨きがかかるのは間違いないでしょう。

2011.09.14 快心のフィードバックを得たので、これを反映させます

現在の「タロット占い」のフローが、ここでほぼ確定。
それまではいちいちタップ回数が多かった(作っていると慣れて気がつかなくなる)ので、改めて他者評価が大事だなと認識しました。

一方、リリース版では占いとしての「雰囲気」や「情緒」の足りなさを感じた方もいると思います。
これは想定利用シーン、というか自分の利用状況が「通勤中」とか「混雑した電車内」だったからです。
もし、本当に占いを求めてるユーザーを想定して作るなら、本職の占い師さんの言葉やカード捌きを観察して得たものをアプリに反映させるところでしょう。
リリース後に少し触ってもらった中に、たまたまタロット占いに詳しい方がいまして、その方の話を聴くだけでも(そういう方向性で作るとしたら)参考になることが多かったです。

ここで、デザインあるいは企画を生業にする人は自分の中にどれだけ引き出しをもっているかが大事で、もしプロジェクト領域に対する引き出しが少ないと思ったら、迷わず引き出しを持っている人にあたってみるのが正攻法なのかなと想像しました。
よくよく考えると業務 SE も「顧客」というその業務についての引き出しを持っている人と組むことでより善い仕事ができるのだろうし、Web サービスやゲームのプログラマやエンジニアにも同じことが言えるでしょう。
自分の専門領域があるとして、それを活かすには必ず別の領域との接触が必要になる。
その「インターフェース」を通じた「コミュニケーション」が「価値」を生み出す。
今回の開発を通じてこの辺が「言葉でなく心で理解」できたような気がします。

2011.09.26 お絵かき受け取り完了(iPad 2 の帰還)

「桜と空の組み合わせで『無敵』なんですね」
正しい選択をしたと確信したこの瞬間。

ここから残りのカードを描いたり、アプリアイコンなどを作成したりした上、アプリに取り込んで開発完了。

こうしてみると、iOS アプリはプロトタイプを端末に入れて持ち運べるという点で、開発中でもユーザーからのフィードバックを得やすいという特性がありますね(Android もそうかもしれません)。
Web サービスや業務システムと比べると圧倒的にそうだと思います。
改善のしやすさが、品質向上や価値提供のしやすさに繋がるとすると、スマホ以降ではアプリが超えなければならない「一定のクオリティ」のラインも上がっているのでしょう。

ちなみに、プロトタイプを含めた開発期間中は、毎朝、社内カフェで同僚がレビューしてくれていました。

その同僚の代表作 : ハッピー銀行!(App Store)

振り返ってみると、一人で作っているようで、そうではないんですよね。
究極的には自分で作る」(この件はまた別のエントリーで)といっても、自分にとってしっくりくるモノ(価値)も他者から気づかされることがありました。

「多様性」や「協創」が持つ価値についても(見かけ上)「独創」することで改めて理解できたと思っています。
SECI モデルじゃあないですけど、「協創」と「独創」を行き来する黄金の回転もあるのかもしれません。

協創へ至る道としての独創のような何か。

今回のアプリ開発は、これらの検証としての性格もありました。
また、純粋な HCD 手法やプロセスは使っていませんが、知っているだけでも手助けになることを再確認できました。
問題解決の引き出しとして持っていて損は無いでしょう。

つづき ⇒ iPhoneアプリをリリースするまでの3ヶ月を振り返る その3 #tarotR

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